虚弱子牛症候群(WCS)とは、出生直後より活力が無く虚弱症状を示す子牛の総称のことを言います。
WCSの子牛というのは、腸炎や肺炎などの疾病罹患率も高くなることが分かっています。
この原因として、分娩前の母牛の管理が指摘されていますが、どんなに適切に管理したとしても、1割未満はWCSの子牛が産まれると言われています。
ということは、どの農場にも少なからずWCSの子牛がいるということになります。
佐々畜産でも例外ではなく、出生直後から飲乳欲が弱く馬力の無い子牛が、時々産まれてきます。
特に、血統が良く期待していた子牛ほど多いような…(笑)。
もちろん、WCSの子牛に対しては、輸血やアミノ酸製剤、ビタミン剤など、考えられる治療は行いますが、完治することはなく、腸炎や熱発を繰り返すこともしばしばです。
毎日のように繰り返す、「軟便」に対し、皆さんも同じだと思いますが、あまり「薬」を使用したくないのが本音です。
こんな時にお勧めしているのが、「バナナ」の給与です。
バナナというは、エネルギーの補給にもなりますし、繊維質が強いので便も固まり易くなります。
そして何よりも、子牛にバナナを給与することで、「免疫力が上がる。」ことが分かっているのです。
よって、生まれつき虚弱であるWCSの子牛などに、毎日バナナを食べさせるメリットは大きいと考えられます。
哺乳中の子牛ならば、バナナを半分~1本くらい食べさせれば十分でしょう。
また、青々した若いバナナより、消費期限切れの黒ずんだ熟し過ぎくらいの物が良いそうです。
最初は、少し吐き出したりもしますが、慣れれば、パクパク美味しそうに食べてくれます。