今日は、肉専の外部導入(9ヵ月齢)の除角のお話です。
1つ目のポイントは、除角時期です。例えば、導入直後に断角してしまうと、どんなに根元から切っても、産次数を重ねていくと伸びてきてしまいます。
そのため、除角のタイミングとしては、二通りあります。
一つ目は、生後12ヵ月齢前後の時期です。ある程度、角を伸ばしてから、根元を切断します。
肉用牛の場合、生後13~14ヵ月齢以上からの授精が推奨されていますので、種付け開始前に除角を終わらせなくてはなりません。この時期までは、手動の枝切りバサミで断角できます。
二つ目は、1産目を終えてから、除角する方法です。この時期では、角が伸びきっていますので、無理に根元から切断する必要がありません。しかし、断角面に空洞が出来やすいのと、角が固くなっていますので、除角用ワイヤーか電動の断角機が推奨されます。
どちらの時期でも良いのですが、断角後の化膿の事などを考えると12ヵ月齢前後を推奨しています。
12ヵ月齢で除角する際のポイントは次の通りです。
先ず、セラクタール注で鎮静させます。
次に除角前に角の根元の毛をハサミでカットします。なるべく根元から切りたいので境目を明確にします。その後、止血用のゴムを装着します。
次に断角ですが、切り口が斜めにならないように角に対してハサミを垂直にあてて切ります。角が硬く、かなり力が必要なので気を付けましょう。
そして最後に断角面をコテで焼くのですが、この時に最大のポイントがあります。
特に晴れた昼間というのは、コテの炎が見えにくい上、根元で切断していますので、焼いているうちに牛に火傷をさせてしまうことがあるのです。
そこで、うちでは写真のように角の横に木の板を当てながら、焼いています。
これで無事に除角終了です。
以前は、除角の後に耳元部の火傷の治療などを頻繁にしていました。ひどい牛は、繁殖障害に陥り苦労したこともありました。
しかし、このように焼烙時に板を使用するようになってからは除角のトラブルは殆どなくなりました。
多分、牛にとって断角は相当なストレスだと考えられます。それに火傷させ追い討ちをかけていたのかもしれません。反省しています。