経産牛の除角

経産牛の除角

以前、日々のニュースで繁殖母牛候補の育成牛の除角(断角)術の紹介をしました。

→日々のニュース 繁殖育成牛の除角のコツ!?

生後12ヵ月齢くらいで断角した後、母牛となって産次数をふみ、年齢を重ねていくうちにだんだん角が伸びて来ます。

角の伸びる方向や長さによって異なりますが、中にはスタンチョンの枠に入る際に邪魔になる個体や、自分の側頭部に刺さってしまう個体もいたりします。

このような異常角のケースでは、再度除角(断角)する必要があります。

この時期(年齢)になってくると、角が硬くなっているので、前回のように剪定バサミでは切ることができません。

そこでお勧めしているのが、「除角ワイヤー」を用いた断角術です。

方法は、先ずセラクタール注にて鎮静をかけ、止血用バンド(ゴム)を装着します。

その後、除角部位を決定するのですが、ここで注意点があります。

あまり根元から断角すると、空洞が空いてしまい、夏場なら、患部が化膿して前頭洞内部(頭蓋骨内部)に蛆がわいたりすることもあるのです。

よって、ノコギリの柄などで、トントンとた叩き、空洞部を確認し、空洞が終わって音が変わる所を見付けます。

職人のように…

断角位置が確定したら、ワイヤーが噛みやすいようにノコギリなどで切れ目を入れ、準備完了です。

断角の様子です。↓↓↓

少し穴が空いているのが分かりますが、このくらいの穴ならば、蹄病軟膏などを塗ってあげて終了です。

ワイヤーを用いた除角術では、ほとんど出血が無いため、バーナーなどでの焼烙の必要はありません。

良かったら試してみて下さい。