異常産ワクチンの勧め!?

異常産ワクチンの勧め!?

4月に入り、日中に30℃近くまで上がるような暑さになったり、逆に肌寒くなったりと、体調管理が難しい季節となっています。

しかしながら、着実に夏へと向かっています。

この時期になると、必ず接種しなければいけないワクチンがあります。

それが、異常産ワクチンです。

先日、我が農場でも母牛へのワクチン一斉投与を実施しました。

これは、吸血昆虫(主に蚊やヌカカ)により媒介するウイルス性の異常産を予防するワクチンです。

蚊の被害が増える夏以降に備えて、今の時期から接種を始める必要があります。

ワクチンの種類は色々あるのですが、私が推奨しているのは、不活化の牛異常産4種混合ワクチン(京都微研)と牛流行熱・イバラキ混合(化血研)の2種類の接種です。

この2種類のワクチン接種の注意点としては、ワクチン同士の間隔を2週間以上あける必要があるのと、不活化ワクチンであるため、初めて接種する牛(主に未経産)の場合は、2回接種する必要があるということです。

分娩前の未経産に2回ずつ計4回接種するのは、流産などのリスクを考えると、少し抵抗があるかもしれません。

そのため私の農場では、将来的母牛候補の育成牛に関しては、初回授精する頃の14ヶ月前に4回の接種を済ませておくようにしています。

今回の育成牛達です。

この異常産のワクチンというのは、なかなか接種するのを嫌がる農家さんが多いのが事実です。

というのも、ワクチンを接種しなくても、「異常な仔牛が産まれない」という印象が強いのと、ワクチン接種により流産してしまうこともあるからです。

しかし、蚊が媒介すると考えると、1頭でも異常な仔牛が産まれ始めると、次々と異常産を引き起こし、多大な損害を出す可能性があります。

ワクチンのコストやワクチンの副作用などの目先のデメリットのみに着目してはいけません。

やはり、大事なのは経営者として、農場を守る危機管理能力を持つということです。

また、それぞれの地域や巡回する獣医師により、「分娩前1ヶ月」や「授精当日」には接種しないなどの接種時の注意点があると思うので、それぞれの指導を受けて下さい。