佐々畜産で肥育中期から後期にかけて使用している添加剤を教えて欲しいという質問がありました。
答え「トルラミン(共立製薬)」です。
トルラミンとは、トルラ酵母を主体とした消化機能促進剤です。
これを、食いが悪い部屋の残飼にふりかけています。
トルラミンは、肥育中期以降、基本飼料に飽きてきたころに添加してあげると、嗜好性も良く飼料摂取量は確実に上がります。
たぶん、他の農場の方も様々な「添加剤」を使用していると思います。
嗜好性の良い添加剤を使用することは問題ないのですが、注意点もあります。
食いが悪い本当の理由を見極めないと、添加剤を使用している時は、飼料摂取量は上がるのですが、添加を止めると、すぐに食べなくなってしまうのです。
以下、佐々畜産での「食いが悪い」部屋が出てきた場合の対処法です。
① 病気の牛がいないかのチェック
② 残飼を新しい餌に「差し替え」
③ 規定量を下げる
④ 食いが戻ってきたら、もとの規定量にゆっくり戻していく
この作業を繰り返しながら、肥育中期の食い止まりなどをしのいでいます。
よって、トルラミンを使用することもあるにはあるのですが、実は現在はほとんど添加していません。
確かに、以前は使用していました。
就農してすぐ、肥育技術が無かった頃は、「肥育に良い」と薦められた色んな添加剤を使用していました。
毎日添加剤をふるといっても過言ではないほどでした。
しかし、肥育技術がある程度身に付いて来ると、餌の「押し引き」で食いを戻せるようになったのです。
昔、農家さんに「いいか、基本飼料とワラで牛は作らないかんぞ。」と教えて貰ったのを覚えています。
牛飼いになって10年、やっとその意味が分かるようになって来ました。