先日、獣医師人生で初めて「舌」の手術をしました。
生後9カ月齢の黒毛和種でした。
実は、この牛は生後2ヵ月の時期に「舌」の治療をしていました。
この時は、ハッチの中のどこかで怪我したのかな?と考え加療し、綺麗に治癒していました。
しかし、生後7カ月齢になり、「舌」の異常で診察依頼。
いざ鎮静をかけ、舌を露出させると・・・。
舌に直径20cm大の腫瘤が出来ており、想像したより大きく、ビックリしました。
このまま大きくなったら、摂食障害を起こすと考え、畜主と相談し外科的に切除することにしました。
いざ切開したはいいものの、出血が凄く、悪戦苦闘の末、何とか手術は終了!?
後で調べたら、アクチノバチルス症の可能性が高いことが分かりました。
牛のアクチノバチルス症とは、肉用牛の場合は下顎部を含む頭頚部に腫瘤を形成する化膿性疾患で、まれに舌にも病巣が出来るそうです。
現在は、ヨダレは出るものの、元気に餌を食べています。
このまま、再発せずに、無事に育ってくれる事を祈ります。