ロシアへのウクライナ侵攻以降、配合飼料の値上げは顕著ですが、これ以上に養牛農家に打撃を与えているのが、輸入乾草類の値上げです。
佐々畜産で主に使用しているオーツヘイも同じです。
オーツヘイの最上級のクラスでは、90円/kg(税込み)を超えてきました。
よって、さすがに母牛に給与するには高すぎると考え、グレードを落とし70円代/kg(税込み)の物に変更しました。
最上級のグレードに比べると少し青みが少なく固そうなのが分かります。
そして、いざ変更してみると嗜好性は少し落ちましたが、母牛も含めて良く食べますし下痢もありませんでした。
よって、良いコスト削減になったと考えていました。
しかし、使用して1ヵ月以上経過した後、突然、哺乳期や離乳後の下痢が多発し始めました。
熱発もなく、感染性ではなく、飼養管理が原因の下痢のような感じです。
最初は、寒さから来ているのかと考え敷料交換などを行い、様子を見ていましたが、下痢を繰り返します。
飲み水かななどと考えていたところ、この粗飼料のグレードを下げたことを思い出しました。
これだーと思い、哺乳期および育成期の子牛達は柔らかいバミューダヘイに変更しました。
もちろん、すぐには下痢は止まらなかったですが、1週間以上経過すると、ウソのように下痢がなくなりました。
ローグレードのオーツの「固さ」、「硝酸態窒素」、「消毒薬」などのどれが原因か分かりませんが、粗飼料が原因なのは間違い無かったと思います。
もちろん、グレードを下げたことで、少しの餌代は節約できたのですが、「治療費」や「子牛の発育の遅延」など失ったものも多くあり、何よりも「牛と人のストレス」が半端なかっです。
目先のコスト削減がもたらした悲劇では無いでしょうか!
では、何故?私が気付くのが遅れたのかと言えば、「子牛達が元気に食べるから」です。
皆さんの農場でも十分に注意して下さいね。