U-motionの急性疾病アラート機能

U-motionの急性疾病アラート機能

先日、シェパードの蓮沼先生からU-motionのアラート機能についての質問がありました。

U-motionの基本的な機能に関しては、デザミス株式会社のホームページを参考にしてください。

佐々畜産でU-motionを使用するきっかけとなったのは、肥育牛の起立困難の事故を無くすためでした。

しかし、使用して3年が経過して、少し考えが変わりました。もちろん、起立困難の事故防止の目的もありますが、一番役立つ機能は、肥育牛の疾病の早期発見なのです。

実は、U-motionには疾病アラート機能がついており、急性疾病アラートと慢性疾病アラートの2つがあります。

急性アラートは1週間以内の急激な行動の異常を、慢性アラートは1ヵ月単位の緩やかな行動の異常を、AIが感知しアラートとしてお知らせしてくれます。

正常な個体の活動量推移

上の図は、正常な個体の活動量の推移です。
基本的に、毎日同じような飼養管理をしていれば、動態や反芻などの活動の合計時間はほぼ一定となります。

急性アラートが発報した個体

一方、こちらが包皮炎にて急性アラートを発報した個体です。
12/27日付近から、起立の反芻時間と起立の非活動時間が増加し、動態と横臥時間が減少しているのがわかります。包皮炎で下腹部に違和感があり、異常行動を示したものと考えられます。

ここで、先生から質問されたのは、肥育農場で急性アラートが発報され、診察を依頼されるのだが、加療対象にならないことが多いとのことでした。

私も、U-motionを使用してから、急性アラートが発報した個体をすべて診察してきました。やはり、蓮沼先生が仰るようにすべての牛が臨床的に異常があるかと言えば、そうではありません。

例えば、肥育の雌の場合、発情期に活動量が上がり、急性アラートが発報するケースに遭遇します。

よって、佐々畜産では、急性アラートが発報した場合は、以下のマニュアルで対処するようにしています。

もし、肥育でU-motionを使用している農場の方は、是非参考にしてみてください。

慢性アラートに関しては、後日アップします。