私が住んでいる菊池市でも、昨日くらいから最低気温が10℃を下回るようになって来ました。
この急激な気温の変化に耐えられず、農場でも離乳後の風邪がチラホラ出始めました。
症状自体はそんなに重くないのですが、抗生剤の反応も悪くウイルス性の呼吸器病を疑っています。
こんな時は、日々の噴霧消毒を実施しながら治るまで治療するしかないのですが・・・。
問題があります。
離乳しなければならない牛群が、多数控えているのです。
発症している牛群の隣の部屋に新規の離乳群をそのまま入れれば感染するリスクが高いのです。
ここで新兵器の鼻粘膜ワクチンである「ティーエスブイ3(ゾエティス)」の登場です。
自家産のワクチネーション法は、生後2ヵ月前後で注射型の肺炎 生ワクチンを接種して、3ヶ月目で離乳しています
しかし、今回の離乳群からティーエスブイ3を接種してから離乳することにしました。
この鼻粘膜ワクチンと一般的な注射型ワクチンとの違いは、全身性の免疫抗体獲得には2週間前後必要なのですが、鼻粘膜ワクチン特有の局所免疫を早期に獲得出来るメリットがあるのです。
これは人も同じなのですが、ウイルスを含む呼吸器感染のほとんどは上気道(鼻腔から喉までの気道を言います)の粘膜から感染します。
しかし、ウイルスなどの病原体が粘膜に付着したからと言って、すぐに感染が成立する訳ではありません。
鼻腔局所の免疫細胞との攻防の末、感染するか否かが決定するのです。
よって、鼻粘膜ワクチンにより、鼻腔粘膜局所の免疫力を上げておくと、呼吸器病に感染しにくくなるのです。
誤解しないように説明しておくと、今回の状況でベストな選択肢は、発症牛群が完全に終息して1週間以上経過してから次の牛群を入れる。又は、新規牛群にワクチンを接種してから2週間以上経過してから移動することです。
あくまでも今回は、離乳する群が多く、緊急的な処置であることに注意して下さい。
また、鼻粘膜ワクチンを使用したことがない方のために、鼻粘膜ワクチンの接種方法の動画を上げておきます。
使用方法は、動画の通り簡単で痛みもなく、牛にストレスを与えることな出来ます。
良かったら参考にして下さい。