以前、家畜保健所にお願いしていた、牛伝染性リンパ種(牛白血病)の抗体のスクリーニングテストの結果を発表したいと思います。
実は、もっと早く結果を貰っていたのですが、投稿が遅れて申し訳ありませんでした。
結果は、陰性牛、61頭中1頭が陽性に変わっていました。
陰性が陽性に変わった割合のことを陽転率と言います。
今回の結果から、令和3年度の陽転率は、1.6%(1/61)となりました。
この年に1回のスクリーニングテストは、5年前から実施しています。
H29年度 陽転率25%
(熊本地震にて繁殖牛舎倒壊にて分離飼育出来ず。)
H30年度 陽転率5%
令和元年度 陽転率0%
令和2年度 陽転率0%
令和3年度 陽転率6.25%
この結果から分かるように、去年 2年ぶりに新たな陽性牛が出てしまい、相当なショックを受けました。
しかし、家保の先生やスタッフに励まされ、このスクリーニングテストを続行することになり、今回を迎えました。
結果から今年も陽転率ゼロを達成出来なく、少し残念でしたが、ここでとても大事なことがあります。
この陽性牛がどの場所で陽転したのかを、推測し対策を強化しなければ、今年度また陽転牛が発生してしまうのです。
佐々畜産では、注射針や直検手袋、除角の器具など人為的な感染要因に関しては、徹底的に対策しています。
よって、感染率を左右させる要因は、各牛舎のネットなどの吸血昆虫(アブやサシバエ)対策により変化します。
やはり、新しく建てた牛舎は、ネットなどの感染対策が徹底していますが、古い牛舎では不十分なのが現状です。
しかしながら、今回のこの陽性牛はと言えば、去年の9月に導入したばかりの育成牛です。古い牛舎にいたものの、諸々を鑑みて、この一頭だけが、(肥育牛の中に紛れているかもしれない)他の陽性牛からうつったとは、どうにも考えにくいのです。
よって、もしかしたら、導入時から陽性だった可能性も否定できないとの結論にいたりました。
というのも、導入時に実施していたのは、PCR検査ではなく、抗体検査です。
感染してから十分な抗体が上がるのに 2週間以上かかります。
つまり、導入時には感染していても、検査時には、まだ抗体が上がっていない可能性もあるのです。
このタイムラグを少なくするには、PCR検査の方が確実だと思います。
今回の結果から、農場全体の感染対策としては、上手くいっていると言えるのではないでしょうか。
また5月以降から、吸血昆虫が発生し始めます。
今年も気を引き締めて、「ゼロ」を目指して頑張ります。