ルーチンワークの意味

ルーチンワークの意味

例えば、ヨットで大陸横断など、長期のセイリングに出港すると、その日のセイリング終了後に最後の仕事として、ヨット内の部屋を綺麗に掃除するというルーチンワークがあるそうです。

水滴が1滴も残らない程、丁寧に拭きあげます。

これはもちろん、凄く高価なヨットを大事にする意味もありますが、水滴を拭きあげることで、船の異常をいち早く発見出来るという意味もあると言います。

海上では、小さな水漏れが命取りになりかねないからです。

佐々畜産にも朝のルーチンワークの一つとして、各部屋の外の掃除があります。

すべての場所ではありませんが、特定の箇所は毎朝キレイに掃除します。

最初は、その作業の意味が分からないかもしれません。

牛房の外は、汚くても牛にとってあまり関係なさそうだからです。

しかし、これは獣医師として、色々な牛舎を回っていて感じることですが、優秀な農場はいつも整理整頓してあり綺麗なのです。

そういうところは多分、毎日掃除していると思います。

牛舎の新しい古いは、関係ありません。

そしてそれらのルーチンワークには、必ず意味があると思います。

下の写真は、繁殖母牛を管理しているスタンチョン舎です。

朝一は、このような状態ですが、スコップなどで外に跳ねた堆肥を中に入れ綺麗にします。

これがある朝、このような状態になっていたら、何かのサインなのです。

普段と異なり、外に跳ねた量が多いのが分かります。

多分、他の牛と乗り合った証拠でしょう。

そう!!

発情のサインなのです。

普段から綺麗にしていなければ、気付けないかもしれません。

昔は、もちろん、U-motionなどのICT機器やテールペイントもなく、夜間の観察が難しかったと思います。

そのため農家の方々は、色々な知恵をしぼり、夜間の発情などの異常行動を見つけていたと思います。

これらのルーチンワークは、他の分野でもあると思います。

皆さんが何気なく行っている作業で、一見すると無意味のようでも、一つ一つ意味があるのではないでしょうか。