先日、とても珍しい症例に遭遇しました。
産後の母牛が排尿障害があるとのことで、深水先生よりヘルプの依頼!!
膀胱炎などを考えながら、実際に母牛を診てみると、排尿姿勢にはなりますが、チョロチョロとしか出ません。
そこで尿道カテーテルを通そうと試みますが、途中までしか通らないのです。
また、直検すると骨盤腔の右上付近に風船のように膨らんだ膀胱のようなものに触ります。
位置的に絶対おかしいため、一応エコーで確認したところ、膨満した膀胱と判断。
膀胱が捻れているという結論になりました。
悪戦苦闘の末、最終手段で膀胱穿刺用の套管針で穿刺しカテーテルを留置し、バイパスさせ膀胱圧を減らし膀胱の捻れを取ることに…!!!
無事にバイパスさせたカテーテルから排尿するようになりました。
翌日は、自然排尿し、尿道カテーテルも通せるようになり、ひと安心です。
現在は、カテーテルも抜いても、自然排尿できています。
結果的には、膀胱捻転だったと思います。この母牛は、帝王切開の手術履歴があるので子宮などと癒着しているのかもしれません。
肥育牛では尿石症などで膀胱穿刺しますが、繁殖母牛では初めてでした。
とても珍しい症例だったと思います。
再発しないと良いのですが・・・。