先日の出来事です。
生後5ヶ月齢の子牛が、「横たわっている。」との報告を受け駆けつけました。
農場へ向かう車中で、ヘモフィルス症(現 ヒストフィルス症)だろうか?などと想定し向かいました。
いざ到着してみると••• ⁉︎

到着時には起立していましたが、すぐに疼痛で横臥状態になります。↓↓↓

そして、陰毛には尿道結石が付着。

ここで難しいのが、通常であれば直腸検査で膨満した膀胱を触診しなければいけないのですが、子牛が小さ過ぎて手が入らないのです。
捕液にて利尿をかけようか迷いましたが、症状からすると尿閉により膀胱がパンパンに張っていて、膀胱破裂のリスクが高いと判断し、バイパス手術に踏み切りました。
しかし、ここでも問題が発生。
子牛が小さ過ぎて、横たわった状態では手術が難しいのです。
よって、出した解決策は、農場にあった毛布を何層にも重ね、高さを出す方法でした。


そして、いざ手術開始。
無事にバイパスでき、排尿出来ました。


写真のように、採取した尿は真っ赤に血が混じっています。これは尿閉から時間が経過していることを意味します。
無事にバイパス手術も終わり、子牛も立ち上がりました。

このような若齢な牛の尿閉はとても珍しいです。
もちろん、牛自体の問題かもしれませんが、抜本的な飼養管理の見直しも必要かもしれません。
何はともあれ、子牛の今後の経過を見守りたいと思います。