本日近くの流通センターで、枝肉販売が2頭ありましたので、検品に行きました。
① 福増-百合茂-平茂晴(自家産)
枝肉重量 558.2kg
BMS 12 ロース 98 ㎠ バラ 9.8cm
歩留基準値 79.3
② 福増-隆之国-北之大福
枝肉重量 475.3kg
BMS 8 ロース 63 ㎠ バラ 8.7cm
歩留基準値 74.7
本日の枝肉の①頭目は、BMSや枝肉の創りとか関係なく、良かった点があります。
それは枝肉の「照り」と「脂質」です。簡単に言えば、「おいしそうな枝肉」だったのです。
ここで、枝肉の脂質(あぶらしつ)のお話を少しだけしたいと思います。
①番目の枝肉の脂質です。↓↓↓
脂が柔らかいのと、表面が少しテカっているのが分かると思います。
②番目の枝肉の脂質です。↓↓↓
②番目の脂質が「白くて硬い」のが分かります。写真では伝わりづらいのですが、実際に見ると違いは明白です。
一般的には、柔らかい脂質の方が融点が低く、口溶けの良い脂になると言われていますので、①番目の枝肉が良い脂質と言えます。
しかし、脂質を語るうえで、とても大事なことがあります。
それは、「冷やし方」で脂質の見え方は全く異なるということです。
例えば、屠畜後に翌日検品の「1日以内の冷やし」と「約2日(1日以上冷やす)冷やし」では枝肉の「照り」や「脂質」の見え方は、全く異なるのです。
例えば、佐々畜産が普段出荷している流通センターの場合は、屠畜後の1日空けての販売となるので後者の冷やし方となりますし、逆に大阪出荷の場合は、月曜販売以外は屠畜後、翌日販売となりますので前者となるのです。
流通センターのような約2日の冷やし方であれば、枝肉の「照り」は、なかなか出にくくなりますし、「脂質」は硬い状態になり易いのです。
そのため、それぞれの冷やし方に応じたベストな脂質を模索する必要があるのです。
今日の①番目の脂質は、固すぎず柔すぎず、良い脂質だったと思います。