9月10日、11日に熊本県家畜市場で子牛のセリ市場が開催されました。
セリ結果
去勢平均 765,007円 税込(前回比-38,958円)
メス平均 671,347円 税込(前回比-13,205円)
今回は先月のセリとは異なり、大手の企業畜産が来なかったため前回より下げとなりました。
特に2日目の後半は、肥育農家の購買意欲が下がり、平均値以上の下げ幅となっていたような気がします。
今回は、非常事態宣言の影響もあり、普段、メスの上物を主体とするブランド牛の購買者の勢いもなかったため、繁殖用候補を8頭導入しました。
そこで今日は、育成候補のメスの選畜のポイントを紹介したいと思います。
基本的には、肥育牛の素牛の見方と同じですが、毛肌、体高、背線は良く見ています。
また、腰幅(腰角幅)がとても重要となり、腰幅がある方が、産道が広くお産が楽になります。
さらに、過肥(肥り過ぎ)でない牛を選びます。導入時に過肥な牛は、その後なかなか痩せさせることが難しく、過肥な母牛ほど、種も付きにくく、難産にもなりやすいのです。
過肥の見分け方のポイントは、もちろん尾枕(尻こぶ)が付いていないことですが、少しレベルを上げると、乳房付近の脂の付着具合をチェックします。
この辺りに脂が付着している牛は、いざ繁殖適齢期になり直腸検査をした際に、腹腔内に脂が巻いていることが多く、種を付けるのにとても苦労します。
最後に、繁殖牛候補として一番重要なポイントは何かと言うと、「人に馴れている」ということです。
これは、獣医師や人工授精師の立場から言えば、人工授精やお産の際に、神経質な牛というのはとても扱いづらく、危険を感じる時もあります。
よって、おとなしく神経質でないかどうかは、選畜の際の最重要ポイントなのです。
参考にしてみて下さい。