これが令和5年最後の投稿となります。
最後の日々のニュースに何を書こうかと悩んでいたら、我が家の母牛で緊急の症例が出てしまいました。
「みなえ」という母牛で、11/26に2産目を分娩し、自然哺育中の経産牛です。
数日前より配合飼料は食べるものの、乾草の食いが悪いので注意していました。
そしたら、昨日の昼頃に農場のスタッフさんから、みなえの様子がおかしい、と連絡がありました。
急遽、農場に戻ると、泡沫性の流涎を排泄しながら、神経過敏、盲目状態で部屋に枠に衝突し歩様がおぼつかない状態でした。
さらに、神経が過敏なのか、耳をピクピク動かしながら神経症状を呈しています。
パッと見、「ヘモフィルス症(現・ヒストフィルスソムニ症)」や「破傷風」、「リステリア症」、「カビ毒」、「エンドファイト中毒」などを疑うような感じでしたが、診察をしてみると熱発もなく、また明確な傷などもありませんし、オーツと良質な稲ワラを給与しているため、これらの疾病の可能性は低いと考えられます。
珍しい症例だなと感じ、深水獣医師と話し合った結果、「グラステタニー」ではないかという結論に至りました。
グラステタニーとは、低マグネシウム血症のことを言い、発症すると知覚過敏、皮膚・筋肉の反射亢進などを起こし、重症のケースでは全身の硬直痙攣をを呈し死亡します。
このグラステタニーは、草地のマグネシウム不足とカリウム過剰によって発生するとされており、放牧牛で多くみられますが、稀に舎飼いでも発症し、分娩後の自然哺育の母牛に多いそうです。
すぐに、マグネシウム製剤である動物用マグゾール注(ゼノアック)を皮下注射し、併せてカルシウム製剤も輸液することに・・・!
(グラステタニーでは低カルシウム血症を併発していることが多いそうです。)
翌日の12/31は、弱視状態は続いていますが、餌は食べています。
外注の血液検査機関が正月休みのため、血中のマグネシウム濃度を調べられず確定診断が出せませんが、治療後の症状の改善状態をみると、グラステタニーぽい感じがします。
今後の経過は、また後日追って報告します。
今年は、「ぎっくり腰」や「インフルエンザ」などで体調を崩してしまい、投稿が疎かになる月が多く大変申し訳ございませんでした。
このホームページが皆様のお役に少しでも立てたなら幸いです。
来年は、もう少しホームページに力を入れて行きたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。