先日の廃用した肥育牛です。


このように、前が詰まった状態では、立つことは難しいです。
なぜかと言うと、牛は後肢から立ち上がりますので、後躯が持ち上がる際に、必ず前かがみになるからです。
そのため、前に障害物があると立てないのです。
そこで、今回のようなケースでは、まず牛を方向転換させる必要があります。その際、ショベルなどの機械で引く方法もありますが、実は大人2人くらいで簡単に回転させることが出来ます。
まず、回したい方の牛床をフォークなどで取ります。それにより多少の高低差と滑り易さを出すのです。


次に、頭にロープをかけてから、向かせたい方向に引きます。


こののように方向転換すると、牛床を取り除いている分、前が低く後が高くなり、牛が自分で立ち上がるには、ベストポジションとなるのです。
準備万端、「いざ、立たせるぞ。」と思いがちですが、ここで大事な作業があります。
それが、「水」を飲ませることです。

この牛もそうですが、一晩中、同じ体勢で座っていますので、一滴も水は飲んでいません。
やはり、水を飲ませて英気を養うのは、とても大事な作業と言えます。
そして、実際に牛を立たせる方法ですが、この時ショッカー(電気)を使用する先生も多いですが、農家さんによっては、可哀想だと言う人も多いです。
そのような場合は、頭部に水をかける方法を取ると良いでしょう。

そうすると、牛がビックリし(嫌がり)、立ち上がります。
この立ち上がったときにも、立たせるコツがあります。
写真のように、後躯が持ち上った時に、尻尾の部分を持ち上げて立つのを補助する方法です。

今回も何とか、無事に立たせてあげることが出来ました。もし立たなければ、重機などで引きずるしかありません。そうなると、肉も傷みますし、なにより牛が可哀想です。
無事に出荷後、枝肉を検品に行きました。





少しハート芯にはなっていましたが、BMS12の良い枝だったと思います。
ただ、左前肢の他、右バラにも瑕疵(アタリ)がつきました。
やはり、気付かないうちに横臥の時間が増えていて、筋肉に炎症が起こっていたのかもしれません。