8月12・13日に熊本県家畜市場にて子牛セリ市場が開催されました。
例年ならば、お盆を迎える8月というのは枝肉価格が上向くことが多く、今年は東京オリンピックも開催され「牛肉特需」を誰もが期待していました。
しかし、フタを開けて見れば、コロナの影響でオリンピックは開催されたものの無観客、加えて緊急事態宣言も発令され、最悪のお盆を迎えました。
これらの影響で、枝肉相場は駄々下がりとなり、このまま行けばマルキン発動かと思うくらいでした。
よって子牛価格も先月より下げになるかと思いきや、結果は意外にも上げでした。
セリ結果
去勢平均 803,965円 税込(前回比+45,137円)
メス平均 684,552円 税込(前回比+11,096円)
これは、大手の企業畜産が参入したことが大きく影響していると思います。
恐るべし大手・・・・!!!
しかし、冷静にセリを分析すれば、大手が競る牛以外は、先月の相場とあまり変わらない印象でした。
ここで、肥育素牛の導入のポイントについて少しだけしたいと思います。
今回の2日間のセリの去勢の最高価格は、116万(競り値)です。例えば、この子牛を佐々畜産に導入したとしても、肥育成績がサシ 12番の枝重600kg以上ななり得るかと言えば、そうではありません。たぶん、枝肉重量は取れると思いますが、中身(サシ)が伴いません。
いわゆる優秀な肥育農家というのは、「自分の農場に合う」肥育素牛といのを熟知しており、導入時に牛を揃えて行きます。
こちらが、今回のセリ初日に購買した子牛達です。
血統はともかく、同じような表現型が揃っているのが分かると思います。
導入後、大きなトラブルがなければ、これらの導入牛であれば、平均枝重550kgの「二桁」は期待出来ます。
でも、これはあくまでも、佐々畜産での話であり、他の農場で当てはまるものではありません。多分、これらの素牛を見て痩せ過ぎと感じる肥育農家も多いかもしれません。
今回のセリみたいに、子牛の価格が乱高下するような場合には、自分の農場のラインを見失わず、無理せずに導入することが大事だと考えられます。